アメリカ流のシナモンロールは、表面にたっぷりかかったアイシングが特徴です。シナモンの風味と甘いアイシングの組み合わせは、アメリカ流のシナモンロールを作る上で欠かせません。アイシングは粉糖や水などを使った砂糖衣のことで、ケーキやパンにかけたり、クッキーの表面に絵を描いたり、さまざまな目的で使われます。実は、ルネサンス期のイギリス王朝に由来があるといわれるほど、アイシングの技術は古くから用いられてきました。今回は、そのアイシングの名前の由来や作り方のコツを紹介します。
1.アイシングとは？
アイシングとは、粉糖と卵白や水、または、牛乳を練ってペースト状にしたものです。また、そのペーストを使って、クッキーやケーキなどに塗ったり、模様を描いたりすることをアイシングと呼ぶこともあります。食用の色素を混ぜてアイシングを作れば、クッキーやケーキをカラフルにデコレーションできます。
2.基本のアイシング
アイシングの正式名称である「ロイヤルアイシング」は、「粉糖」・「卵白」・「水」を混ぜて作る基本のアイシングです。卵白を使わない場合には、「アイシング」と呼んで区別されることもあります。アイシングにはさまざまな種類があり、ケーキのデコレーションでよく使用されるのは、バターを入れた「バターアイシング」です。その他のアイシングには、クリームチーズを使った「クリームチーズアイシング」やショートニングを入れた「クリームアイシング」などがあります。
3.なぜ「ロイヤルアイシング」という名前が付いた？
「ロイヤル」とは、名前の通り「王室」を指します。14～18世紀頃、イギリス王朝用の製菓のデコレーションにアイシングが使われていたことで、名前の頭にロイヤルと付けられました。「アイシング」は、ペーストが固まってアイス（氷）のようになることが名前の由来です。当時は、砂糖の精製技術が未熟で、砂糖自体も非常に高価なものでした。そのため、ロイヤルアイシングという名前には、豊かさの象徴としての意味も含まれています。イギリスや日本では「ロイヤルアイシング」や、「アイシング」などと呼ばれますが、アメリカでは「フロスティング」という場合もあるでしょう。こちらの名前の由来は「フロスト（霧）」といわれています。
4.卵白の有る無しの違いとは？
アイシングに卵白を入れると、風味がよくなり、見た目にツヤが出ます。アイシングクッキーなどの装飾に使う場合には、卵白を入れてツヤを出すと、見た目がきれいに仕上がります。卵白を入れたアイシングは傷みやすいため、シナモンロールにかける時には、粉糖と水のみで作ったアイシングを使用するのが一般的です。
5.アイシングを上手に作るコツ
目的に合わせてアイシングの固さを調節しましょう。クッキーに文字を書いたり縁取りしたりしたい場合は固めに、パンやケーキの表面にかけたい場合には多少ゆるめでも問題ありません。
5-1.固さを調節する
デコレーションの種類によって、仕上がりの固さを調節するのが成功のコツです。粉糖や水の量のちょっとした加減で固さが大きく変わるため、慎重に足していきましょう。縁取り用のアイシングは、ツノを立ててゆっくり倒れる程度の固さが適しています。広い面を塗ったり、パンにかけたりする場合には、縁取り用のアイシングより若干ゆるい程度の固さにします。水を足し過ぎてゆるくなってしまったら、粉糖を追加して調整してください。
5-2.乾燥を防ぐ
アイシングは乾燥しやすいため、作業中や保管に関して注意が必要です。空気に触れるとアイシングの乾燥が進むので、ペーストを練る作業は手早く行いましょう。すぐに使用しない時には、アイシングを入れた容器にラップをかけたり、濡らした布巾などをかけたりして、乾燥を防いでください。固くなってしまった場合には、少量の水を追加するなどして再び調整します。
6.まとめ
今回は、シナモンロールに欠かせない「アイシング」の名前の由来や作り方を紹介しました。アイシングの歴史は、ルネサンス期のイギリス王朝に始まり、現在も多くのスイーツのデコレーションに使用されています。見た目を華やかにしたり、文字を書いたりと、さまざまな使い方のできるアイシングですが、意外にも簡単な材料で手作りできます。ご家庭でシナモンロールを作る際には、アイシングを作ってみてください。意外な由来や歴史を知ると、アイシングをたっぷりかけたシナモンロールが一層美味しく感じられることでしょう。
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